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(一社)日本医療機器テクノロジー協会について

2020年度 事業計画

総  論

新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、盤石な医療提供の重要性を露わにした。我々医療機器産業は、「医療を止めない」を合言葉に、医療機器等の増産や安定供給をはじめとして、最大限の努力をしている。パンデミックは、医療のみならず世界経済にも大きなダメージ与え、医療機器市場の先行き不透明感が強くなっており、しばらくは厳しい市場状況を覚悟する必要がある。

このような状況下ではあるが、我々には、パンデミック終息後を見据えた行動も必要である。すなわち、人々の健康志向はますます高まることから、単に病気を治すだけの医療から、予防・健康そして予後の管理や生活改善に至るまで、切れ目ないソリューションの提供を念頭にイノベーションを起こすことである。また、医療分野における労働需要の高まりにより、我が国に限らず人手不足が指摘されていることから、省力化、効率化のニーズへの対応も重要である。

MTJAPANは、これからも医療を取り巻く環境の変化に柔軟に対応し、新たな医療機器をいち早く医療現場に届け、安定供給するとともに、医療の質の向上と安心安全の確保に努める。また、会員企業のさらなる成長に向け、海外展開も視野に入れた戦略的な活動を展開するとともに、イノベーションへの迅速かつ適切な評価が得られるようステークホルダーとのコンセンサス形成に努める。特に、医療安全の確保に向けて、医療現場への適確な情報提供を行うとともに、MTJAPANならびに会員企業の信頼性、透明性の確保に向けて、企業倫理の徹底や透明性ガイドラインに基づく情報公開、公正競争規約等の周知徹底を図っていく。

これらに鑑み、2020年度は、以下の5つの重要テーマを設定し、各々の重点施策に取り組むこととする。また、新協働計画などの重要課題に対しては、委員会横断WGを組織するなど迅速な対応に努めることとする。

重要テーマ

  1. 医療機器のイノベーション創出と適切な評価の推進
  2. グローバル化の推進
  3. 医療安全・安定供給の確保
  4. コンプライアンスの徹底
  5. 産業基盤の強化と人材の育成

重点施策と主要課題

  1. イノベーション創出に向けた産業基盤の強化
    • 政策動向の分析と政策提言への取り組み
    • 異分野連携によるイノベーション創出機会提供への取り組み
    • 開発技術者の育成策の検討
    • 部材供給円滑化への取り組み
  2. 医療機器規制と審査の最適化のための協働計画への取り組み
    • 医薬品医療機器等法改正への対応
    • 医療機器開発プロセスと規制の最適化の検討
    • 医療機器の特性に合わせた審査制度の検討
    • 承認審査の迅速化・効率化ならびに負担の最適化への取り組み
  3. 治験・臨床研究の円滑化への取り組み
    • 臨床研究法および関連通知の周知への取り組み
    • 患者レジストリ利活用、治験効率化への取り組み
    • 臨床評価のあり方、被験者保護等の検討
    • リアルワールドデータの承認審査への活用に関する検討
    • 医療機器開発の活性化に向けた臨床研究法の課題に関する検討
  4. 産業成長に向けた医療保険制度整備への取り組み
    • 国際展開戦略の策定への取り組み
    • 国際薬事規制(MDR,AMDD等)の動向把握と周知への取り組み
    • 法規制の国際整合への取り組み
  5. 国際展開の推進
    • 政策動向の分析と政策提言への取り組み
    • 異分野連携によるイノベーション創出機会提供への取り組み
    • 部材供給円滑化への取り組み
  6. 医療安全への取り組み
    • 相互接続防止コネクタの市場導入への取り組み
    • 添付文書の電子的提供への対応とPMDAデータベースへの登録推進
    • 保守管理等医療機器の定期点検、安全確保に関するユーザーへの周知
    • サイバーセキュリティへの取り組み
  7. コンプライアンスの徹底
    • 企業倫理・コンプライアンスに関する啓発活動の推進
    • プロモーションコード、公正競争規約等に関する理解促進への取り組み
    • 競争法コンプライアンス規程の周知徹底
    • 透明性ガイドラインに基づく情報公開の推進
    • 医療機器と医薬品プロモーションコードの比較検討
  8. 流通機構における情報化等への取り組み
    • 国内外のUDI制度への対応
    • ICT利活用の推進
    • 医療機器流通特有課題への対応
  9. 情報発信の強化
    • 国民に対する医療機器への理解度の向上策の検討
    • MTJAPAN活動の対外発信力強化の検討
    • MTJAPAN医療機器統計資料の編纂と対外活用の推進
    • MTJAPAN HP改修による情報共有の効率化と強化
  10. 環境規制への取り組み
    • 原材料、化学物質および環境等に関する法規制の周知と遵守の徹底
    • 在宅医療機器廃棄物適正処理のユーザーへの周知
    • 医療機器のライフサイクルに纏わる環境対策への取り組み
    • 環境規制制度策定への対応
  11. 災害対策への取り組み
    • 災害発生時における安定供給確保のための防災訓練の実施
    • 製造所・流通拠点マップの整備
    • 被災情報収集方法に関する検討
  12. MTJAPANのさらなる活性化に向けた取り組み
    • 諸施策の推進に向けた体制の整備
    • STMグループの位置づけと役割の明確化
    • 次世代人材の参加促進と育成に向けた素地作り
    • 諸施策推進のための規程等の改定

部会・委員会活動計画概要

部会
  1. 第1ディスポ部会

    神経麻酔分野の誤接続防止コネクタ(ISO 80369-6)について、既存品の製造販売業者からの供給が2020年2月末で終了しており、その後のフォローアップを MTJAPAN事務局、安全性情報委員会等と協調して実施する。さらに栄養分野の誤接続防止コネクタ(ISO 80369-3)の情報提供を行う。JISについては、改正に向けた活動を継続する。部会での人材育成への取り組みを行う。

  2. 第2ディスポ部会

    理事会及びMTJAPAN法制委員会等での報告を主体として活動する。

  3. 人工腎臓部会

    業界を取り巻くさまざまな環境変化に適確かつ迅速に対応するため、引き続き学会等ステークホルダーとのさらなる連携強化を推進し、また、部会員への適宜・適切な情報提供と共有化等により部会活動の一層の活発化を図る。

  4. 人工心肺部会

    医療安全・安定供給の確保に努めるとともに、医薬品医療機器等法の施行や承認・認証関連の運用改善に向けた様々な取り組みに対して、部会内での情報提供や整備を行うほか、臨床研究法運用の周知徹底や保険適用手続きの合理化を推進する。

  5. 血液浄化部会

    関連する部会・委員会、学会等との連携を行いながら、当部会の関連課題に対する活動を実施する。医薬品医療機器法や安全対策、災害対策、安定供給、診療報酬、企業倫理などの関連情報を迅速かつ適切に共有しながら対応を行い、医療機器業界の発展に向けた健全で適切な活動を推進する。

  6. 第1カテーテル部会

    部会員の要望や課題を解決すべく積極的に意見・要望を収集し、幹事会・分科会・WG 等の活動を通して、分析・検討を行い、委員会や行政等に提言する。

    また、MTJAPAN 事務局や委員会等から、医薬品医療機器等法、安全対策、国際規格、医療保険、企業倫理等の各種情報を収集し、e-mail等を通じて部会員に迅速かつ正確な情報提供を行うとともに、周知徹底を図る。

  7. 第2カテーテル部会

    情報共有(中医協での審議内容、法制委員会の報告、薬事行政の情報、理事会の情報、公正取引業議会)、意見交換を行うため部会を2か月ごとに定期開催する。部会で法制委員会の報告を実施したが、薬事担当者により構成される法制小委員会は、第1カテーテル部会と引き続き合同で開催し、薬事担当者間で情報の共有を行なう予定。必要に応じて法制委員会、安全性情報委員会との連携活動を行う。

  8. 総合インプラント部会

    昨年12月4日に医薬品医療機器等法改正が公布され、今年3月5日には特定保険医療材料価格が告示されるなど、医療機器業界では例年以上に迅速な対応が求められている。

    また自然災害や新型コロナウイルスなど想定外の事象も増え、不確実性の時代への対応がより一層求められている中、医療機器業界や会員企業の継続的発展に貢献できるよう、主要課題を意識し産業基盤の強化、医療保険制度のあり方、安心安全・安定供給、コンプライアンスの周知徹底、次世代人材の育成、グローバル化の推進など MTJAPAN の委員会や関連団体等と連携し、部会員の意見を聞きながら次世代に「繋ぐ」活動に取り組む。

  9. 整形インプラント部会

    2020年度診療報酬改定後の新制度や機能区分等の部内情報共有を図り、総括を進める。その結果、次回改定への課題等の協議を行う。また、部会内のコンプライアンス遵守を継続的に行う。
    対外的には、厚労省及び PMDA への製品説明会の実施を行い、整形材料の製品、使用方法等のさらなる啓蒙を行っていく。

  10. 再生医療部会

    行政からの通知や、依頼事項等に随時対応するとともに、再生医療関連の規制について、メンバー企業が活用し易い形で整理、データベース化し共有する。具体的には、国内規制、国際協調や国際標準化の状況等を対象として活動することとする。なお、部会の開催は2回/年とするが、例えば、薬機法改正に伴う対応等、参集しての議論が必要と考えられた場合には、臨時での開催も考慮することとした。

  11. 創傷被覆材部会

    2020年度の診療報酬改定を活用し、医療再編が本格化している環境下において、創傷被覆材、局所陰圧閉鎖機器等が、医療機関から在宅まで、安全かつ有効に使用できる環境を整えるために継続的に活動する。
    下記の5つを主軸に活動を進める。
    (1)行政と連携し、規制緩和を活用し速やかな製品導入の仕組みを促進する。
    (2)関係学会と連携し、エビデンスの構築を進め臨床ガイドラインへの道筋をつける。
    (3)経済性と有効性を整理・整備し、診療報酬を活用し医療機関から在宅まで幅広く使用できる制度の新設、改正に結びつける。
    (4)関連学会の「災害時対策委員」などに積極的に参画する。
    (5)部会内のコンプライアンスWGを継続し、公正で確実な活動の基盤とする。

  12. 在宅医療機器部会

    医療行政において「在宅医療の充実」は引続き重点課題とされている。当部会は、MTJAPAN の中で在宅医療関連の事業を行っている企業が集まっている唯一の部会であり、自らの立場・役割を十分認識し、在宅療養を行っている患者の安心と安全に十分配慮しながら、さらなる質の向上と安全確保に向けて諸課題に積極的に取り組んでいく活動を行う。

    会員各社が携わっている在宅医療は、在宅酸素療法、在宅自己腹膜灌流療法、在宅中心静脈栄養法など多岐に亘っており、取り扱っている機器・材料類や対象となる患者の生活実態などが異なるため、対応が一様でない部分もあるが、幅広い検討・協議を進めていく。

委員会
  1. 産業戦略委員会

    MTJAPAN関連産業発展に向けた産業戦略を担う委員会として、医療機器産業振興に関わる政策の情報共有および意見交換を行い、医機連と連携しての政策提言、産業成長のための基盤整備、国際展開推進に向けた支援施策を実施することで、会員企業ならびに医療機器産業全体に貢献する。

  2. 医療保険委員会

    2020年度診療報酬改定を振り返り、積み残し案件や新たな課題を整理し、秋頃予定される定期会合での意見陳述へつなげる。特に薬価の中間年改定の動向に注視し、特材へ波及することがないよう理論武装を行う。

    厚労省や関係団体との意見交換等を継続し、引き続き連携を密に取っていく。また、材料保険制度の将来像を描くため、フランス調査の継続実施および、調査結果の会員への共有を行う。さらに、昨年度好評であった費用対効果評価の研修会については、募集人員を拡大して開催をする。

    有識者を交えた勉強会を通じ、委員会のレベルアップも図る。

  3. 国際委員会

    会員の国際展開を支援するため、国際産業動向、規制情報や国際 展開推進施策等について、国内外のステークホルダーとも連携して調査研究し会員へ周知することに加え、海外展示会等でのシンポジウム開催や出展等の国際交流を通して会員の優れた商品力、高い技術力の海外展開支援に取り組む。

    さらに、アジアパシフィックや米国における医療機器産業の動向や業界団体の活動状況把握のためAPACMed MEDTECH FORUMやAdvaMed THE MEDTECH CONFERENCEに継続参加し、得られた情報を会員企業との共有化に努める。

    また、本年度は海外医療機器団体等との交流・連携の可能性を調査研究する。

  4. 技術委員会

    医療機器の技術開発の振興・成長に寄与することを目的として、医療IT、EMCなど医機連 技術委員会と連携し活動を行う。また、本年度から役割を開発者の育成支援や知的財産戦略の推進に改め、医療機器技術者の育成、レベルアップに資する調査研究と施策立案・実行とする。

    そのミッションとして、医療機器技術者のレベルアップを目的に、知的財産戦略の推進、関連技術動向の調査研究など、技術開発の振興に資する調査研究を行うとともに関連施策の提言に取り組む。

  5. 流通委員会

    流通機構における情報化等への取組みとして、国内外のUDI制度への対応、ICT利活用の推進、医療機器流通特有の課題への対応等について、関係団体との連携と分担を図りながら進める。

  6. 環境委員会

    行政(厚労省、経産省、環境省)、医機連等の情報に基づき、原材料、化学物質に関する国内外の規制について情報を共有化する。

    環境省による酸化エチレンガスの排出抑制に向けた動きに対し、業界としての対応を進める。また、PRTR 制度における EO ガス排出量算定方法について業界内で周知を図る。

    環境委員会セミナーを企画し、原材料、化学物質に関わる情報を発信していく。

  7. 法制委員会

    法規制に係る会員企業の円滑な実務遂行に貢献するよう活動を進める。2年目となる「医療機器の規制と審査の最適化のための協働計画」の各課題、特に、医薬品医療機器等法改正の 1 年目施行事項である変更計画の確認制度(IDATEN:Improvement Design within Approval for Timely Evaluation and Notice)の運用を主体に取り組む。また、早急な改善が望まれている認証審査における検討課題についても取り組んでいく。
    医機連にて検討が開始される「(仮名)規制のみらい検討会」を通じて、次期人財育成の促進及び委員会の活性化を目指す。

  8. 安全性情報委員会

    今年度も昨年度と同様に、医機連PMS委員会報告、MTJAPAN 主催の営業管理者継続的研修への協力及び「安全管理に係る説明会」を軸に活動する。

  9. QMS委員会

    前年度に引き続き,医機連QMS委員会と連動し,医薬品医療機器等法への対応(特に,改正QMS省令の周知,次回法改正に向けた QMS調査制度合理化への意見具申),ISO 13485定着およびMDSAP対応を中心に最新動向の周知を図ると共に,製販業者/製造業者のQMS底上げを図るべく,啓蒙に努める。

  10. 国際規格委員会

    ISO/TC(76,84,150,194,198)国際会議への専門委員派遣及び ISO規格制定、改正を推進する。ISO/TC(76,84,150,194)国内委員会の開催、運営ならびにJIS小委員会、JIS原案作成委員会の開催及びJIS 規格制定、改正を推進する。国際規格審議団体分科会(医機連主催)への参加。

  11. 臨床評価委員会

    医機連臨床評価委員会との連携の下、治験、臨床研究等の医療機器の臨床評価全般について、法施行及び国際整合化に向けて課題抽出と解決に向けた活動を行う。また、会員企業や臨床試験関係者に対しては、関連通知や成果物の啓発活動に取り組む。

  12. 広報・教育委員会

    医療機器の価値ならびにMTJAPANの取り組みを社会に伝える。広報及び教育活動を充実させ、MTJAPAN全体で情報の共有化を図る。

  13. 企業倫理委員会

    会員企業における企業倫理・コンプライアンス、各種関係法令・ルールの遵守・周知を目的とした啓発活動を推進する。「医療機器業界における医療機関等との透明性ガイドライン」については情報開示のさらなる促進を目指し、会員企業が適切な事業活動およびプロモーション活動を行うための情報提供についても積極的に推進する。

    活動に際しては医機連や公取協MTJAPAN支部との連携を行う。

  14. 統計委員会

    2020年度版 MTJAPAN 医療機器統計資料の発行を目指す。引き続き統計データの精度の維持向上を図るとともに、より有用で活用度の高い資料とするべく、継続して編集内容の見直しや資料の有効利用に関する検討も進める。

  15. 機器・メンテ委員会

    医療機器に関連する基準・規格や基盤技術から保守点検・修理に至る機器ライフサイクル全般に係る調査・検討を行い、品質・安全確保に向けた施策の立案・提言について、医療機器を保有している各部会と横断的な連携を図り、活動を行う。また、医機連 技術委員会EMC分科会や販売・保守委員会へ委員を派遣し、医機連とも連携しながら活動を行う。
    その他、医療機関における保守管理(医療機器の定期点検等)の啓発活動を継続するとともに、諸課題について関連委員会・部会等と連携し、活動を行う。