ようこそ、医療機器技術マッチングサイト交流セミナーへ

第10回 医療機器技術マッチングサイト交流セミナー

医療機器技術マッチングサイト交流セミナーテーマに関するアンケート結果

オンラインでの交流セミナー開催の実施に先立ち、より会員企業の興味分野に沿った内容とするため、アンケートを実施させていただきましたので、その結果をご報告いたします。なお、本アンケート結果は、お答えいただいた個人として、どのような技術・機器に興味を持っているかを示したもので、会員企業個社の意見ではないことをご承知おきください。

アンケートの設問は以下の通りといたしました。

以下の1〜6の技術・機器について興味のあるものをチェックしてください。
又、その項目において、具体的にどの様な技術が実現されれば、今後の医療機器開発においてブレークスルーが起こるでしょうか?

  1. 体内埋め込み型材料
    (積層造形医療機器(⼈⼯関節・⾻など)、⽣体吸収性材料(⼈⼯臓器・⾎管など))
  2. 体内埋め込み型能動型機器
    (⼈⼯⼼臓システム・ペースメーカーなど、神経刺激装置など)
  3. 在宅用医療機器
    (⼈⼯呼吸器・管理プログラム・ICTによる実施モニタリングなど)
  4. 低侵襲治療機器
    (内視鏡および外科⽤処置具関連製品、外科⼿術ナビゲーションシステムなど)
  5. コロナ後の社会に必要とされる医療機器
  6. その他

アンケートは、2022年8月30日から9月13日までの期間中、96名より202件のお答えをいただくことができました。短期間ではありましたが、多数の方にお答えいただいたこと、この場を借りて御礼申し上げます。

まず、会員企業が最も興味を持たれた分野は、4.低侵襲治療機器となりました。
具体的に、どのような技術が実現できたら、今後の医療機器開発においてブレークスルーが起こるかお聞きしたところ、以下のような技術に集約されました。
コメント頂いたご意見には、既存の内視鏡やカテーテルの改良に加え、DX化やマイクロロボットなど、最新のデジタル技術を取り入れた、新たな治療機器を望む声が少なくないことがわかりました。

  • さらなる患者負担の低減化ができる小型化・多機能化技術
  • 体外からの遠隔操作により、体内の治療ができる技術
  • センシングやAIなどの活用により操作を容易にする支援技術
  • X線被曝量を低減できる透視技術

次は、1.体内埋め込み型材料(積層造形医療機器(⼈⼯関節・⾻など)、⽣体吸収性材料(⼈⼯臓器・⾎管など))と、3.在宅用医療機器(⼈⼯呼吸器・管理プログラム・ICTによる実施モニタリングなど)が同ポイントとなりました。

体内埋め込み型材料については、コメント数が最も多く、会員企業の関心の深さが伺われます。求められる材料技術については以下のように集約されました。

  • 埋め込まれた体内埋込・生体吸収性材料の状態を、体外からモニタリングできる技術
  • 複数サイズを用意する必要がなく、埋め込む際に大きさを変えることができる技術
  • 抗血栓性に優れた表面加工などの技術
  • 自己治癒力を促すことができる材料技術
  • 体外からの電気刺激等により吸収速度をコントロールできる技術

材料技術については、素材産業との連携が不可欠となりますが、医療機器向け部材供給の問題など、解決しなければならない課題も多く、協会としてもより一層の働きかけが必要と考えております。
なお、頂いたご意見の中には、許認可体制の緩和や、カスタムメイド機器のビジネスモデルなど、技術以外の障壁を突破する必要があるとの声があったことが特徴的です。

また、在宅用医療機器では以下のようなご意見がありました。こちらも、診療報酬などの制度面の障壁の突破が必要との声がありました。

  • 家庭と医療機関の情報の連携をシームレス、かつ簡便に行うことができる技術
  • バージョンアップやメンテナンスなど保守が容易にできる技術
  • 操作が簡単で、生体情報の収集ができる遠隔モニタリング技術
  • 介護者とのコミュニケーションが容易に行えるロボット技術

4番目は、コロナ後の社会に必要とされる医療機器となりました。
社会環境の変化に対応した、DXなどデジタル技術の活用が望まれており、アフターコロナにおける医療機器開発に向けた貴重なご意見をいただきました。

  • 遠隔モニタリング、遠隔治療など対面の機会を減らす技術
  • 生命維持にかかる装置の導入・管理を効率化する技術
  • より扱いやすく、かつ、洗練された個人用保護具に関する技術
  • 後遺症の診断・治療のための技術
  • 地域の医療機関の連携をすすめるプラットホーム技術

5番目は、2.体内埋め込み型能動型機器となりました。
これまでは実現が難しかったものであっても、電子部品等の小型化や、情報処理の高度化により実現可能となりつつある領域であり、今後の医療機器開発の可能性について、多くの示唆に富むご意見を頂きましたが、こちらも素材産業と同様に、電子部品産業との連携が必要となると考えます。

  • 体内での発電、または、体外からの給電技術
  • 長期間体内に貯留しても腐食しない材料技術
  • ポンプ・センサーの連動により流量の調整ができる技術
  • 痛み、しびれなどの制御技術
  • 低侵襲な神経系の刺激技術
  • 体内埋込能動機器の動作を体外から制御するアプリ技術

最後は、6.その他にお寄せ頂いたご意見と、1.~5.の中で、特定の診療領域・医療機器について述べられたご意見となります。
いずれも、会員企業の視点という意味では、興味深い内容となっています。

  • 難接合素材の接合技術
  • 医療関係者の省力化に寄与する機器
  • デジタルセラピューティックス(DTx)
  • メンタルヘルスケア
  • ロービジョンケア
  • 緩和ケア
  • 連続喀痰吸引器
  • 人工膵臓・人工膵島

以上