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真空採血管の添付文書改訂と今後の対応について

                                               2003年11月17日
お客様各位
                                             日本医療器材工業会
                                       真空採血管ワーキンググループ


従来真空採血管は、その内容物が被採血者に逆流しないと考えられておりましたが、このたび適切な手順で採血を行わなかった場合に、採血管内の内容物や細菌等が逆流し、被採血者の体内に入る可能性を示唆する報告が行われました。
 
この報告を受け、日本医療器材工業会では当該医療用具を製造・輸入販売する関係各社からなる「真空採血管ワーキンググループ」を設置し、逆流発生のリスクについて再度整理し、真空採血管の適正な使用方法等に関して検討を行いました。
 
このたび厚生労働省医薬食品局安全対策課長の自主点検通知(平成15年11月17日付け、薬食安発第1117001号)が発出されたことを受け、真空採血管の取扱いについて下記の点にご注意いただくよう、添付文書の改訂を行うことといたしました。
 
貴施設におかれましても上記諸事情をご賢察のうえ、添付文書の正式改訂前ではございますが、周知徹底等の適切な対応をお取り下さいますようお願い申し上げます。
 
なお日本医療器材工業会・真空採血管ワーキンググループでは、今般の対応に加えて今後も継続して関係団体との協議を進め、より安全な製品とサービスの提供を目指したいと考えておりますので、ご指導ご鞭撻を心からお願い申し上げる次第です。
 
本文書の内容は、日本医療器材工業会のホームページ(http://www.jmed.jp/)にも掲載いたします。


                            記


【対象となる製品について】
 
対象となる製品は別紙のとおりです。
 
【真空採血管の使用について】
逆流の発生を防止するため、以下の事項を「禁忌・禁止」とします。
1)駆血帯を装着した状態で採血管をホルダーに挿入しないこと。
(駆血帯を装着した状態で採血を開始し、採血後採血管を挿入した状態で駆血帯を外した場合、静脈血圧が急激に低下し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。)
2)採血管が室内温度に戻らないうちに採血を行わないこと。
(採血管の温度変化により採血管内の圧力が変化し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。)
3)採血針を抜くまで、被採血者の腕の血管を圧迫したり、動かしたりしないこと。
(圧迫を解除した際、あるいは腕の配置によっては静脈血圧が急激に低下し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。)
4)採血管に血液が流入し始めた後は、採血ホルダーに押し込むような力を採血管に加えないこと。
(採血管内の圧力が変化し、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。)
5)体外循環回路又は中心静脈から採血は行わないこと。
(圧力の変動により、採血管内の内容物等が患者の体内に逆流するおそれがある。)
 
【真空採血管の使用方法・操作方法について】
逆流の発生を防止するため、真空採血管の使用方法に、以下の事項を記載します。
1)室内温度になった採血管を準備すること。
2)採血針を血管に穿刺したら、採血管を装着する前に駆血帯を外すこと。
3)採血管はホルダーにまっすぐ完全に押し込むこと。
4)採血の血流が停止したら、直ちに採血管を採血ホルダーから外すこと。
5)連続採血する場合には、ホルダーを固定したまま、採血管を取り替えること。
 
【真空採血管の使用上の注意について】
逆流の発生を防止するため、真空採血管の「重要な基本的注意事項」に、以下の事項を記載します。
1)患者の腕、穿刺部位及び採血管が採血中常に下向きであることを確認すること。
2)翼付針チューブを使用して採血する際は、採血管の位置が上下に動かないようにすること。
 
なお、これらの追加記載を含む添付文書の改訂につきましては、後日改めてご連絡いたします。

【別添】
1.平成15年11月17日 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(薬食安発第1117001号)